7月21日、札幌ふきのとうホールで室内楽科新設記念コンサート「室内楽の歓び」が開催されました。当日は立ち席まで出る大盛況の中、チェロ、ヴァイオリン、フルート、ピアノのデュオやトリオで室内楽の名曲の数々をお楽しみ頂きました。当日の様子をお写真やスペシャル動画と共に振り返ります。
オープニングは小川巧真さんと札幌コンセルヴァトワール室内楽教室及びチェロ教室講師の石川祐支先生によるショパン チェロソナタ第1楽章で情熱的にスタートしました。小川さんは幼い頃から札幌コンセルヴァトワールで学び、現在は大学で歯学部に通いながらピアノや室内楽にも熱心に取り組んでおります。
続いて中学生の小林七菜さんが杉田知子先生、石川祐支先生と共にチャイコフスキーの「四季」から3月「ひばりの歌」と10月「秋の歌」を演奏しました。石川先生との室内楽のレッスンでは先生が理想とされる音色や表現にたどり着くまでチェロは一音も演奏されずに、ピアノのレッスンだけで終わってしまうこともあったそうですが、先生の熱心なご指導の甲斐あり、当日は大変叙情的な演奏を聴かせてくれました。普段はピアノソロで聴く機会が多い「四季」ですが、弦楽器が加わると一段と魅力が増します。
続いて講師の登場です!今春から札幌コンセルヴァトワール ヴァイオリン教室、及び室内楽教室の講師に就任されました杉田知子先生とピアノ教室講師の宮澤むじか先生によるデュオ。
優しくしっとりと歌い上げられたタイスの瞑想曲、そして軽快なチャルダッシュに客席も沸きました。
前半の最後には札幌コンセルヴァトワール フルート教室、及び室内楽教室講師の吉田玲子先生が登場し、杉田知子先生、宮澤むじか先生と共にチマローザのフルート協奏曲を演奏致しました。フルートの優美な音色に包まれて会場も優雅な雰囲気に・・・。
後半は沼澤理絵さん、石川祐支先生によるサン=サーンス「白鳥」とフォーレ「夢のあとに」の演奏から始まりました。普段は麻酔科医師として日々、お忙しくされている沼澤さんですが、札幌コンセルヴァトワールに通われるようになって、もう20年以上経つでしょうか。
名曲2曲を石川先生としっかりと息を合わせた丁寧な演奏で歌い上げました。
続いて、同じく医師として、またアマチュアピアニストとしてもご活躍中の有田賢さんがフランクのヴァイオリンソナタ チェロ&ピアノ編曲版から第一楽章を演奏されました。この日はお嬢様も譜めくりを担当されて、親子でステージを楽しみつつ、難曲をしっかりと弾きこなしておりました。有田先生は週末には東京で行われたPTNAピアノコンペティションのグランミューズ部門の本選会で見事、第1位となり、全国大会進出が決まりました。全国大会でもご活躍をお祈りしています。
次にこのコンサートのメインの1つ、札幌コンセルヴァトワールピアノ教室が誇る名教師 棚瀬美鶴恵先生の登場です。棚瀬先生は近年、数々の生徒達を毎日学生コンクールを始めとした国内の主要なコンクールで優勝や上位入賞に導いていらっしゃいます。コンクールシーズンのこの時期はご指導や審査で目が回るほどのお忙しさですが、この日はハイドンのジブシートリオから1楽章と3楽章を色彩豊かに演奏し、会場を魅了されました。
そして、いよいよこのコンサートのトリを飾る院長宮澤功行先生が登場です。長くステージを離れていた宮澤先生ですが、石川先生のチェロの音色に魅せられ、また再びステージに立つ決心をされたそうです。かつてクリーブランドやチェコ、ブリュッセルの名だたる弦楽四重奏団と共演し、海外でも称賛を受けたその演奏の輝きは年を経てもまだ失われていませんでした。
先生の指から奏でれる深く温かな音色は先生のお人柄そのものです。もっと聴きたい!!感動の拍手がいつまでも鳴り止みませんでした。
それでは今回のコンサートのスペシャル配信と致しまして、宮澤先生の演奏動画をどうぞお楽しみ下さい!