筒井(旧姓:阿部)志津先生へのインタビュー ベルギー留学編

先日札幌コンセルヴァトワールに復帰された筒井(旧姓:阿部)志津先生に、ベルギーでの留学生活、音楽に対する思いについて伺いました。(聞き手:徳田貴子)

 

ヨーロッパ研修をきっかけにブリュッセル王立音楽院へ

 

徳田 先生は6年間ベルギーに留学されていましたね。きっかけは何ですか?

筒井 札幌コンセルヴァトワールのヨーロッパ研修で、私が参加していた時にベルギーへ行ったのがきっかけです。そのときブリュッセル王立音楽院でレッスンを受講し、コンサートに出演させていただき、そこで勉強したいと思うようになりました。

徳田 ベルギーでは授業はフランス語ですよね?日本の学校でフランス語は習わないですし、言葉で苦労されたことはありましたか?

筒井 やはり音楽史やアナリーゼのクラスは難しく、授業で使われていた教科書の日本語訳を買って照らし合わせたり、授業をこっそり録音したりして乗り切っていました。

徳田 私も音楽史の授業は苦労したのでよくわかります。出てくる用語は英語でも日本語でも難しく、日本語訳を調べてもあまり役に立ちませんでした。レッスンはどうでしたか?

Franck Piano Quintet in f minor

(筒井先生の演奏録音です。)

実技試験では当日まで演奏曲目がわからない!


筒井
 普段のレッスンは、楽語は日本でも使っていたものだったので、そんなに苦労せずに受講することができました。でも、先生の要求に応える演奏をするのは大変でしたね。私の先生は沢山コンサート活動もされていましたので、レッスンで少し弾いて下さる演奏が素晴らしく、私も先生のような音色が出したいといつも思っていました。

それから、毎年年度末に実技試験があり、4つの違うスタイルの曲と協奏曲を全楽章用意しなければいけなかったのですが、演奏する曲目や楽章を当日その場で伝えられるので、緊張しますし大変でした。

徳田 当日まで演奏曲目がわからないのはドキドキですよね!印象に残っている授業はありますか?

筒井 留学一年目の必修として、合唱団で歌わなければいけなかったのですが、練習の成果を披露するコンサートの会場が大聖堂でした。バッハの合唱曲などを当時も演奏されていたような場所で体感できたというのは、クラシック音楽が生まれた背景を肌で感じることができる貴重な機会でした。

 

先生が授業中にビールを飲む!?アパートに泥棒が入る!?

 

徳田 留学中びっくりしたことなどはありますか?

筒井 ベルギーは高級チョコがバラ売りされており、気軽に食べることができました。ピアノの先生はレッスンの合間によくチョコレートを食べていましたね。ソルフェージュの先生はレッスンの合間にビールを飲んでいました。その時はさすがにびっくりしましたがどちらもベルギーっぽいですよね(笑)。ショックだったこともありましたよ。留学中3回引越ししなければいけませんでした。最初のアパートは一時帰国中に泥棒に入られ、怖くなって引っ越しました。次のアパートでは音の苦情があり、集中して練習できる環境ではなかったので、また引っ越す羽目になり、3軒目でようやく落ち着きました。

徳田 どちらも留学あるあるですね!私も一時帰国中にアパートに他の方が住んでいた形跡があったことがあります。警察の方に、引っ越すよう強く勧められました。アメリカでは大学で練習する人が多いですが、ブリュッセル王立音楽院では学校で練習できるのですか?

筒井 できます。音の苦情があってから、練習室を予約して、学校で練習することもよくありました。 

Brahms:Hungarian Dance No.1 for 4 hands : ブラームス ハンガリー舞曲第1番

(筒井志津先生、宮澤むじか先生の連弾)

百聞は一見にしかずは本当!留学は一生の財産になる

 

徳田 留学して良かったことは何ですか?

筒井 クラシック音楽が生まれたヨーロッパで生活し、風土を肌で感じ、建物を見たり人と触れることで、音楽に対するイメージをしやすくなりました。海外に行くことは一生の財産になりますし、百聞は一見にしかずと言いますが、その通り、生活することで得ることは大きいと思います。

http:/https://www.youtube.com/watch?v=KJ_UzBbnmN4

どんな場所でも良いので、演奏し続けて音楽の素晴らしさを伝えて欲しい

 

徳田  音楽家として生きることはいつの時代でも難しいことです。何かアドバイスをお願いします。

筒井 たとえ小さなコンサートでも良いので、演奏し続けることで音楽の素晴らしさを伝えて欲しいと思っています。現在同じく札幌コンセルヴァトワール講師の皆川直美先生とデュオを組み、学校や病院などでアウトリーチコンサートを行っています。連弾だけでなくソロでも演奏するのですが、お客様の反応がダイレクトに伝わってきて、嬉しいですね。

徳田 私もアメリカでホームコンサートをやらせていただき、音楽家のキャリアというのは、コンクールに勝って大きいホールで弾くだけではないんだということを実感しました。サロンコンサートはお客様との距離が非常に近く、音楽をより深く共有できると感じ、新たな音楽の醍醐味を発見したようでした。

筒井 そうですね、アウトリーチコンサートでお客様に喜んでいただき、より音楽をやっている意味を実感できる気がします。音楽は、言葉を超えて人の心に響きますし、私自身が生きがいを感じることができます。演奏し続けることで、多くの方に素晴らしさを伝えて欲しいと思っております。

 

 

徳田の感想

筒井先生の優しいお人柄の中にも、音楽に対する思い、クラシック音楽の背景に対する深い理解と熱い思いを感じました。目標に向かって頑張る生徒さんのサポートをしていきたいという先生は、忙しくても音楽を楽しみたい、また自分が深く傾倒している作曲家の曲をもっと勉強したいという方を温かく見守ってくださるのだろうなと感じました。また、先生ご自身が現役の演奏家としてコミュニティに根ざした音楽活動をされており、連弾の演奏もされていることから、アンサンブルをされる方や、お客様に思いが伝わる演奏をしたいと思っている方にとって最適の先生なのではと思います。先生の優しいお人柄で、私も終始癒されながらインタビューをさせていただきました。ありがとうございました!

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