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私はさすらいの音楽の先生、ニャンコ先生だ。
先生、ピアノって誰が発明したのかな?
サダオ君か。
まず、ピアノっていつの時代に誕生したと思う?モーツアルトの時代かな。
ハズレ!
バロック時代に誕生したんだ。
モーツアルトは次の時代だよ。
ピアノはイタリア人のクリストフォリ という人が創り出したんじゃ。ヘェ~、またイタリアかい?
でも、きっかけは何だったのかな。クリストフォリの時代の鍵盤楽器の主流は 「チェンバロ」という楽器だった。
チェンバロは知ってるかい?ああ、見たことあるよ。
鍵盤の色がピアノと白黒逆なヤツでしょ?ハハハ、全部じゃないけどね。
どんな音がする?何かギターのような音がしてたよ。
そうだね。
チェンバロは鍵盤に連動した金属片が、弦をハジいて音を出すんじゃ。
だからギターのような音がする。
英語ではこの楽器を「ハープシコード」と呼んでいるよ。ハープのようにハジくからかな。
ピアノとの違いって、何?チェンバロは弦を弾いて(はじいて)音を出すのに対して、ピアノは弦を叩いて音をだすんだね。
で、結局何でピアノが誕生したの?
長くなってしまったから、続きは次回にしよう。この話は長くなるよ。
そういえば、今日山下先生の公開レッスンを観に行ったよ。
細かい点を丁寧に説明して、作曲家や作品背景のエピソードを盛り込めながら、分かりやすく教えてくれたよ。彼の知識量には脱帽するね。
フレーズをオーケストラの楽器に例えるのは分かりやすかったなあ。
大変勉強になったよ!
また機会があったら、是非行きたいよ。それは、良かったのう。
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私はさすらいの音楽の先生、ニャンコ先生だ。
先生、ニャンコ先生!
夏目か。どうしたんじや。
a tempo という言葉は「元のテンポに戻す」だよね?
Tempo Ⅰ も同じ意味なのかな?人の子のくせに猫の私に質問か?
a tempo は、その前に速さの変化があり(例えば だんだん早く、だんだん遅く、急に遅く、フェルマータなどね)、それを変化する前の速さに戻す時に用いられる。じゃあ、a tempo の前には何がしかの速度変化があるということだね?
そうじゃ。
一方の Tempo Ⅰ じゃが、これは「テンポ・イチ」じゃなく、「テンポ・プリモ」と呼ぶ。
イタリア語でプリモは、1の序数じゃ。バレエのプリマ・ドンナと同じだね。
曲中で速度の変化があった場合(例えばAllegro がAndanteになる、など)、曲の最初の速さに戻す時に使用されるんじゃ。
どちらの楽語も速さを戻す意味を持っているが、a tempo は一時的に速度変化があったものを元のテンポに戻す意味で、Tempo Ⅰ は大幅な速度変化が曲中にあった場合に曲頭の速度に戻す意味じゃよ。
今度団子でも奢ってな‼︎私はさすらいの音楽の先生、ニャンコ先生だ。
先生、ニャンコ先生。
おお、タカシか。
先生、大変だよ!
楽譜を見てたら、冒頭の小節が四分音符1個しかないんだ!
4/4拍子なのに1個はおかしいよね?
これってミスプリかな?人の子のくせに良いところに気が付いたのう。
これは「アウフ・タクト」というものじゃ。それは一体何なんだい?
拍子には強い拍と弱い拍があり、それぞれ強拍、弱拍と呼ぶ。
通常は小節の最初、いわゆる1拍目は強拍になる。
だから、3/4拍子だと 強・弱・弱 となり、4/4拍子は強・弱・中強・弱 になる。拍によって強弱が決まっているんだね。
そうじゃ。
ただ、メロディによっては弱い拍から始めたい曲もある。そういう場合、アウフ・タクトにするんじゃ。
タカシは「蛍の光」を知ってるか?知ってるよ。
あれもアウフ・タクトなんじゃ。
結構色んな曲に用いられているのじゃよ。
タカシの言ってる楽譜は、今あるかね?持っているよ。
良かろう。
じゃあ、曲の最後の小節を見てごらん。あっ、先生!
最後の小節は3拍しか無いよ。4/4拍子だと、この曲のように弱拍の4拍目から始めると、当然これだと1小節に満たない。
そこで、最後の小節とで帳尻を合わせるのじゃ。だから、最後の小節は3拍分しかない。
最初の小節と最後の小節を足して1小節分の拍になるのじゃ。
アウフ・タクトというのはドイツ語で、日本では「弱起 じゃっき」と呼んでいる。
つまり、弱い拍から起きる(始める)と言うことなんだね。私はさすらいの音楽の先生、ニャンコ先生だ。
先生、今日は続きズラ。
前回はD.S. についてだったね。
ゲームじゃなかったズラ。
そうだね。リピート記号の一つだった。
今日はこれと似ている D.C. についてじゃ。それはDCカード ズラか?
いやいや違う。これは ダ・カーポ と呼ぶんじゃ。
前回説明した通りイタリア語で da は「~から」だったね。
capo は「頭」 だから直訳すると、頭からとなり楽語では 「曲頭に戻る」 となるんじゃ。曲の最初に戻るズラね。
じゃあ、いつまでたってもグルグル繰り返して終わらないズラ。前回のD.S. も同じじゃが、これらリピートされる場合には「ここが曲の最後だよ」という終止記号が記されているんじゃ。
よく使われるのがfermata記号(フェルマータ)とか、fine などかな。fermataって音を長くするだけじゃないズラか?
音符などの上にあれば、程よく伸ばす ことになるけど、複縦線の上にある場合は、ここでお終いを意味する。他にも何種類か意味はあるが、よく使われているのはこの二つじゃ。
fermata はイタリア語では「停まる」を意味し、fine は 「終わり」を意味するんじゃ。
イタリアではバス停 をfermata と言い、映画の最後はfine と出る。どちらも音楽だけの言葉じゃないズラね。
私はさすらいの音楽の先生、ニャンコ先生だ。
先生、待ってたズラ。
ゴマさんかね、どうしたんだい?
楽譜の中にD.S. と書いてあったんだげど、あれってゲームのDS と関係があるズラか?
ハハハ 、ゲームのDSとは関係ないねえ。
あれはDal Segno( ダル・セーニョ )の省略したものなのじゃ。だから、D.S. と記されているように省略の「. 」が付いているじゃろ?ゲームとは関係ないズラか。
イタリア語で daは「~から」で、dal は da+il (定冠詞) のくっ付いたもの。
Segno は 「印」。
だから直訳すると「その印から」になり、楽語では 「セーニョ記号に戻る」 となる、いわゆるリピート記号の一つじゃ。セーニョ記号って、何ズラ?
必ずD.S. と一緒に使われる記号じゃ。 Sと ※ が 合体したような記号で、D.S. が記されている楽譜の中を探してみよう。きっと見つかるよ。
これに似た記号でよく使用されるリピート記号がまだあるんじゃが、それはまた次回にしよう。私はさすらいの音楽の先生、ニャンコ先生だ。
先生、この間棚瀬先生の公開講座に行って来たよ。
サダオ君、どうだったかね?
大変勉強になったよ。
オイラのような子供でも分かりやすく説明してくれるから、ものすごく勉強になったよ。それは良かったのう。
そういえば、最初の生徒が カーニバル という曲を弾いたんだけど、、カーニバルって、どんな祭りなんだい?
カーニバルは日本では「謝肉祭」と呼ばれておるぞ。
肉に謝る祭りって、意味が分かんないや。
キリスト教では 四旬節 というものがあり、この期間は肉食を禁じておる。つまり野菜と穀物しか食べられない。(だいたい2週間ほど)
また、この期間では派手な行為も禁じられておるから、仲間で大騒ぎをしたりすることも出来ないんじゃ。おとなしく生活しなきゃいけないんだね。
そうなんじゃ。
だから、これから四旬節に入ってしまうから肉も食べられないし、騒げなくなる。
だったら今のうちに肉もたらふく食べて、どんちゃん騒ぎをしておこう…というのが謝肉祭なんじゃ。何か安易な理由なんだね。
そうじゃのう。
時期的には2月頃で、祝日のように何月何日と決まってはいない。
イタリア語ではcarnevale といい、carne は肉 で、vale はラテン語では 「さらば」の意味。
つまりカーニバルとは、肉よさらば ということになる。
有名なのはリオのカーニバルやヴェネツィアのものだ。
リオは山車が練り歩く派手で大規模なもので、ヴェネツィアは仮面と衣装を纏った人がサン・マルコ広場に集まるもので、わしも何度か観に行ったもんじゃ。何だか楽しそうだね。
私はさすらいの音楽の先生、ニャンコ先生だ。
先生、宮沢先生からリクエストが来てるよ。
フンパーディンクについて話して欲しいって。リクエストは受け付けていないのじゃが、、、今回は特別じゃぞ。
フンパーディンクは近現代のドイツのオペラ作曲家じゃ。
彼は沢山の曲を残してはいないが、代表作は日曜に演奏される「ヘンゼルとグレーテル」。それってグリム童話でしょ?
原作はそうだけど、このオペラの台本は何とフンパーディンクの妹が書いてるんじゃよ。
妹が書くなんて、すごい兄妹だね。
そうじゃのう。
妹は自分の子供たちでも歌えるようなオペラを兄に頼んだ。だから、原作にある残酷な場面は除かれている。
ドイツ・ロマン派オペラの巨匠ヴァーグナーが亡くなった後、ドイツ・オペラの継承者たちは彼と同じ路線の壮大な物語を作っても勝ち目がない。
だから、敢えて違う路線であるお伽話的な内容のオペラを作り出すようになったんじゃ。
これを メルヘン・オペラという。
「ヘンゼルとグレーテル」はメルヘン・オペラの中で最も成功した作品と言えるじゃろうね。私はさすらいの音楽の先生、ニャンコ先生だ。
先生、久しぶり。
今度の日曜に宮沢むじか先生が弾くサン=サーンス作曲ピアノ協奏曲第2番を聴きに行くんだけど、サン=サーンスについて教えてくれるかな?サダオ君か、久しぶりだね。
サン=サーンスは後期ロマン派の、フランスの作曲家だ。
小さい頃から音楽の才能に秀でていて、3才から作曲を始め、16才には最初の交響曲を書いているんだ。すごいね!モーツアルトみたいだね。
彼はフランス音楽にとって重要な功績を残しているんじゃ。
19世紀のフランスはオペラやサロン音楽の中心地だったが、当時活躍していた作曲家のほとんどは外国人じゃった。
1871年のプロイセンとの戦争に敗れ、これが転機となってフランスにもドイツに負けない正統的な器楽文化を創ろうと、同年に「国民音楽協会」を設立し、若い作曲家達に演奏の場を設けた。
設立に加わった作曲家にはサン=サーンスをはじめ、フランク、フォーレなどがいる。せめて音楽ではドイツには負けたくなかったんだね。
そうなんだ、近代フランスの交響曲や協奏曲、室内楽の名作のほとんどが、この協会設立以後の産物なんじゃ。
彼の作品は様々なジャンルがあり、交響曲やオペラ、ピアノ、室内楽、史上初となる映画音楽まで作曲してるよ。映画音楽を作曲してるとは知らなかったよ。
ピアノ協奏曲は全部で5曲書いていて、今回むじか先生が弾く第2番は、もっとも人気が高い作品だよ。
よく分かったよ。
コンサートが、楽しみだなあ。このコンサートは
「オーケストラHARUKA 第13回演奏会」 で
4月10日(日)札幌コンサートホールKitara大ホール で、13時開場 13時半開演じゃ。
プログラムは
むじか先生が弾くサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番 の他、フンパーディンク 歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲
チャイコフスキー 交響曲第4番 じゃ。私はさすらいの音楽の先生、ニャンコ先生じゃ。
先生~、待ってたズラ。
お話の続きをお願いするズラ。おお、ゴマさん。
前回の続きだったね。
実はオクターヴと10月の面白い共通点があるんだ。オクターヴと10月?
全く分からないズラ。10月は英語で何というか知ってるかい?
10月はoctoberズラ。
そうだね。じゃあ何故october というのかね?
それは昔の人が名付けたからズラ。
ハハハ、昔の人には違いがないね。
10月はイタリア語では ottobre というんだよ。何か気がついたかな。もしかして前回のotto と関係あるズラか?でも、otto はイタリア語で 8 だったズラね。
10月と 8 に関係なんかあるズラか?謎ズラ。10月は ottobre、11月は novembre、12月は dicembre と言い、otto は 8で nove は 9、dieci が 10 なんだよ。
実はローマ時代には一年の始まりが、現在の3月であった。
3月から数えて8番目は何月だい?3月から数えたら… あっ、8番目は10月ズラ!
8番目だから ottobreで、9番目だから novembre、10番目だから dicembre となったズラね?そうなんだ。それを英語に変換して、october、november、december になったんだね。
もともとはイタリア語だったんズラね?
イタリア、凄いズラ。他の月は諸説あるけど、面白いのが7月と8月だ。
7月はユリウス・カエサル の 誕生日だったから、ユリウスからluglio 。
8月は初代ローマ皇帝アウグストゥスから agosto と付けられた。
これが英語では july と august になったんじゃ。ユリウス・カエサル って、英語では ジュリアス・シーザー ズラね?
イタリアは面白いズラ!私はさすらいの音楽の先生、ニャンコ先生じゃ。
先生~、待ってたズラ。
おお、これはゴマさんかね。
先生、分かんないことがあるズラ。
時々楽譜に出てくる8va って、何ズラ?これはね、オクターブ記号だよ。
音符の上に記されていれば、実際の音より1オクターブ上を。音符の下に記されていれば、1オクターブ下で…という指示なんじゃ。何でエイト・ヴァ じゃないズラ?
これはね、イタリア語なんだ。
イタリア語では8をotto(オット)と言い、その序数をottava(オッターヴァ)と言うんだね。オラ田舎者だからよく分かんねえけど、イタリア語だったとはおったまげるズラ。
8va に似たもので、coll’8va alta や、 coll’8va bassa という言葉も楽譜に出て来ることがある。
coll’ はcon+laがくっ付いたもの。con(コン) は英語でいうとwith 。つまり「一緒」という意味。
(laは定冠詞)
alta は高い で、bassa は低い。
だから、coll’8va alta は「1オクターブ高い(上)音も一緒に 」で、coll’8va bassa は「1オクターブ低い(下)音も一緒に」 となる。オクターブ上下も同時に という意味ズラね。
all’ 8va alta(アッロッターヴァ)や all’8va bassa なんてものも楽譜に出て来る場合もある。
all’は(a+la)で、a はイタリア語で 「~へ 」なので、実際の音の「1オクターブ上で 」 と、「1オクターブ下で」になり、冒頭でゴマさんが質問した音符の上下に8va を記すものと意味は同じだ。さすがニャンコ先生ズラ。
オクターブだけで話がここまで伸ばせるのは流石ズラ。ゴマさん、実は この オクターブではなく、イタリア語の8についてだけど、音楽以外に面白い話があるんだよ。
ただ、長くなったので、この続きはまた次回ね。- 投稿者投稿



