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棚瀬先生、ご質問ありがとうございます。
まずガングリオンとは何かということですが、これは関節あるいは腱の上にできる嚢胞(のうほう)です。
嚢胞とは聞き慣れない言葉ですが、膜の中に液体のつまった袋のことです。イメージ的には水風船です。
ただガングリオンの中身は、さらさらした水ではなく、ゼラチン状の粘液です。
ガングリオンはあらゆる年代の方にできることがあり、若干女性に多いことが知られています。
できる場所はご相談の通り「手の甲」が最も多いです。
ガングリオンができてしまう原因は解明されていません。手の使いすぎが関係するかどうかもはっきりしていません。なので「鉛筆の使い過ぎ」の関係性は不明ですが、鉛筆を使っていて明らかに痛みが増すのであれば、使用を一時的に控えめにしたり、キーボードなど他の筆記手段を考えてよいと思います。大変だとは思いますがこれを機会に左手でトライしてみると、案外ピアノの上達の役立ったりするかもしれません。
治療法ですが治療は基本的には、体に針やメスをいれる侵襲的なものになります。
ガングリオンの半分以上は自然に消えてしまいますので、侵襲的な治療をしたくない場合は、まずは何もせずしばらく経過を見てみることも有用です。しばらく見ても全然よくならない、むしろ大きくなる、痛みなどの症状がつらすぎて日常生活に支障をきたすような場合は、積極的な治療を考える必要があります。
治療法の1番はガングリオンに針をさして中身の粘液を吸い出してしまう方法です。即効性があり副作用もなく有効な方法ですが、問題点は1年以内に半数以上の方が再発することです。特に治療後すぐに再発する場合は、経験的に繰り返し針刺し吸引をしても無益であることが知られています。治療後、だいぶ時間がたっての再発であれば針刺しを繰り返すことが有効だと思います。
なお、この針刺し吸引の際に再発防止目的のためにステロイドを注射することがありますが、これは副作用が増えるばかりでメリットがないと考えられていますのでやらないほうがいいでしょう。
針刺し吸引で治らない場合、第2の方法は手術になります。これは非常に有効性が高い方法ですが、手術をもってしても10%程度の再発があることが知られています。
まとめますと、しばらく様子を見る or 針刺し吸引 → 手術がガングリオンとのつきあい方になります。
時にガングリオンを潰す(手や本などで強く圧迫して水風船を破る)という治療法がなされることがありますが、これは針刺し吸引法より不確実なため、オススメできません。余談ですが、本で潰す方法を英語圏では「聖書で追い出す」と表現することもあるようです。
現在は「少しだけ痛みがとれて、ガングリオンも小さくなって来た様子です」とのことですから、ガングリオンの半分以上の方がたどる幸運なコース、つまり自然治癒する途上にあると考えられますので、このままお母様のマッサージを続けられるのがよいと思います。

