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#2801
Dr.Clover
キーマスター

lovepeach様、ご質問ありがとうございます。
本番になると指先が冷えて思い通りに動かなくなってしまうとのお悩みですね。
これは強い緊張からくる症状です。
人間には自律神経というものがあり、これが緊張と弛緩(リラックス)のバランスをとっています。
自律神経は緊張を司る交感神経と弛緩を司る副交感神経からなっています。
緊張して交感神経がたかぶると身体にいろいろな変化が現れます。
脈拍が早くなり、口が乾き、そして血管が収縮します。
一言でいえば戦闘状態なのですが、血管が収縮していれば戦闘で体に傷を負っても出血は少なくすむメリットもあります。
そういう進化的な理由もあって獲得されたであろうメカニズムが私たちの体には備わっているということです。

では指先の冷えを解決するにはどうしたらいいのでしょうか。
1つはリラックスすることです。その結果として指先の血流が増し温かくなります。
もう1つはすでにlovepeach様のされているように指先を温めることです。
指先が温まっているのは、眠い時など考えてみればわかると思いますが、リラックスしている時です。
体の方をその状態にしてしまうことで、心の方がそれに応じてリラックスした状態になることが期待できます。

指を温めることは既にやっておられますから、知りたいのはどうすればリラックスできるかという具体的な方法だろうと思います。
リラクゼーションのテクニックとして医療で使用されることがあるのは自律訓練法という方法です。
ネットに沢山情報があります。ここはその1つです。
http://www.cephal.med.kyushu-u.ac.jp/methods/AT.htm

いくつかの段階を経て徐々により深いリラックス状態に入れるように自己コントロールしていきます。
自律訓練法でまずやるトレーニングが「手足がとても重たい」「手足が温かい」とイメージし体感していくことです。
練習すれば実際にそう感じることができるようになってきます。
もしかするとこの技術が役に立つかもしれません。

ここで注意しておかなければいけないことがあります。
自律訓練法は基本的にひたすらリラックスすることを目的としています。
しかしlovepeach様が指先の冷えで困るのは、緊張が行き過ぎて演奏に支障をきたすことでした。
本番前にある程度緊張するのは当然のことですし、よい演奏をするという目的のためには、完全にリラックスしているよりも程よい緊張状態にあったほうがいいだろうと思われます。
緊張を完全に弛緩させるのではなく、程よいレベルに緩和するという目的であれば、医療的な自律訓練法よりも適した方法があるかもしれません。

今年から札幌コンセルヴァトワールの講師になられる後藤絵里先生は、アレキサンダーメソッド、ヨガ、太極拳、アロマテラピーなど様々な技術を習得され、ピアニストに必要な技術として体系化しチェコで博士論文にまとめておられるところです。
演奏という目的においては、このような演奏家によって現場で検証された技術の方が適切だろうと思います。
後藤先生には当公式ブログにて、この方法論について記事を書いてもらい、音楽院では実際のコースを開催してもらう予定ですので楽しみにお待ちください。

とはいえ自律訓練法も無駄ではなく、演奏会終了後にはとても有効だと思います。演奏会の夜は目がさえて寝付けない方も少なくないですからね。
もう一つ、医学的なアドバイスをするとしたら、とにかく場数を踏むという、つまりは演奏会の数をこなすのも有効だと思います。
不安障害に対しては、暴露療法といって、恐怖・不安を感じる状況や場所、環境に敢えて自ら身をさらす方法という方法があります。
要は慣れによって克服できるということです。

お役に立てば幸いです。

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